遠慮という言葉はまだ知らない

遠慮という言葉はまだ知らない

顔合わせをしてから3日目。

ゆきはすっかり1階での暮らしに慣れてきたようです。

朝から部屋のあちこちを探検しては、新しい発見を楽しんでいます。

棚の下をのぞいてみたり、窓辺へ行ってみたり。

気になる場所を見つけるたびに、ためらうことなく歩いていきます。

もちろん、それは はなのお気に入りの場所も例外ではありません。

今日は、はながよく隠れているピアノの椅子の下へ。

そこは周りを毛布で囲ってあって、はなにとっては安心できる大切な隠れ家です。

そんなことは知らない ゆき。

興味津々で入り込むと、そのままのんびりとくつろぎ始めました。

匂いにはもう慣れているのでしょう。

まるで前から自分の場所だったかのように落ち着いています。

一方で、その様子を見ている私は少し複雑な気持ち。

はなにとっては大切な場所ですから、「お姉ちゃん、どう思っているかな」と気になってしまいます。

でも、そんな私の心配をよそに、ゆきはいつものマイペース。

探検して、遊んで、眠って。

子猫らしく毎日を全力で楽しんでいます。

思えば、ゆきは「先住猫のお気に入りの場所」という概念すらないのかもしれません。

ただ純粋に、

「ここも楽しそう」

「ここも気持ちよさそう」

そんな気持ちで歩き回っているのでしょう。

そして、その無邪気さに振り回されながらも、少しずつ はなはお姉ちゃんになっていくのでした。